アメリカのインターンシップってどんな感じ?日本と海外の両方のインターンを体験した私の経験談
現在修士論文に奮闘中の柴田宏です!
私は大学院1年生の時にアメリカへインターンシップに行ってきました。
みなさんインターンシップというと、どのようなことをイメージするでしょうか?
数年前までは、インターンはそこまでメジャーではありませんでしたが、最近の大学生はインターン経験ありの人がほとんどですよね。
かくいう私は、「海外で働いてみたい!おもしろそう!英語を使って仕事をして、将来に役立てたい!」という気持ちでインターンシップをしたため、就活のことは全く頭に入れていませんでした。(笑)
けれど、就活を終えた今だからこそ思うことは、「インターンシップをして良かったな。」ということです。
なぜそう思ったのか、アメリカと日本のインターンシップがどのようなものだったのかも踏まえてご紹介したいと思います。
インターンシップのスケジュール
私は海外インターンシップの前後で、山形県内企業でのインターンシップを挟むというなかなか珍しい形のインターンシップを行いました。
なぜわざわざこのようなスケジュールにしたかというと、とある留学プログラムに参加していたからです。
皆さんは、「トビタテ!留学JAPAN」という名前を聞いたことのある人はいるでしょうか?街中や、大学内のポスターで見かけることがあるかもしれません。
私もアメリカ留学中、月々16万円と渡航費20万円を支給していただきました。
話は戻りますが、私はトビタテ!留学JAPANの「地域人材コース」という山形県で活躍するグローカル人材*を育てるためのプログラムに参加しており、その内容が留学前と留学後に同じ山形県内企業でインターンシップを行うというものでした。
※「グローカル」とは、「グローバル」と「ローカル」を組み合わせた造語。
つまり、日本と海外のインターンを一気にできてしまうという一度で二度おいしいプログラムでした。インターンシップの期間は、アメリカが1か月半(6週間)、日本企業では前後合わせて計20日間です。
実際のスケジュールが下の表になります。
インターンシップのスケジュール
時期 | 内容 |
2018年4月下旬 | トビタテ!留学JAPANA応募 |
2018年6月 | 合格 |
2018年7月 | 大使館で面接→VISA取得 |
2018年7月下旬 | 飛行機、宿をとる |
2018年8月1日~10日 | 山形でインターンシップ |
2018年8月13日~9月21日 | アメリカでインターンシップ |
2018年9月25日~10月11日 | 山形でインターンシップ(同じ企業) |
全体を通して、結構タイトなスケジュールだったと思います。
「行きたいな~。」となんとなく思い始めたのが、マルタでの留学を終えた3月ころで、先生から4月ころにトビタテを紹介してもらい応募しました。
書類審査、面接を受け、6月に正式に合格しました。
もちろん大学院でも少ないながらも授業があり、さらに私の研究室は月~金でコアタイムが9時から17時だったため、ヒイヒイ言いながら留学の準備していました。
また、インターン中のスケジュールも詰め詰めで、日本のインターンの3日後にアメリカでインターンだったため、時差ボケがきつかったです。さらに、乗継便で30時間くらいかけて行ったので、ほぼ移動で時間が無くなったため、体を慣らす時間もありませんでした。
直行便で行けたらよかったのですが、ビザ取得の関係で飛行機を取るのがぎりぎりになってしまったため、乗継便にするしかありませんでした。結果、17万円ほどかかりました。
みなさん、他の記事でもお伝えしましたが、飛行機は可能であれば2~3か月前にはとりましょう!(笑)
また、アメリカでの留学期間1か月半にした理由ですが、日本でのインターンシップを含め夏休みのみで収まるようにしたかったからです。
研究室の先生が私の卒業と同時に退官するため、休学したら研究を見てくれる人がいなくなります。
そのため、単位を落とさず、休学しないようなぎりぎりの範囲で日本・海外でのインターンシップをする必要がありました。
インターンシップであれば、公欠を認めてくれる先生もいることと、2~3回くらいなら授業を休んでも落とさないであろうことから、10月はそれぞれの授業を2回ずつ休んでしまいました。(笑)
みなさんは、できるだけ真面目に授業を受けるようにしてくださいね!
アメリカでのインターンシップ
アメリカのインターンシップは、サンフランシスコで行ってきました。自分で履歴書を出して面接、受かってからVISAを取り、現地へ行き、という流れでした。日本人の方は一人だけいましたが、週に1回のみ出勤するスタイルの方だったので、実質ほとんどは日本人が私だけという環境でした。
暮らしていたシェアハウスも、もちろん日本人がいなかったため、コミュニケーションで苦労することが多かったです。
参考程度にですが、アメリカに行く前にTOEIC780点は持っていましたが、ネイティブのスピードには当然のように歯が立ちませんでした。(現在は890点。気になる方は、以下の記事をチェックしてくださいね。)
また、「分からないことがあったら、その都度聞けばいいじゃん!」と思う方もいらっしゃると思います。
私もそう思っていましたが、実際分からないことが多すぎて、どこから聞き直せばいいか分からなかったです。最初の一週間は「もっと日本で勉強すればよかった…!」と後悔しました。
ただ、私はあまりホームシックにはならないタイプなので、コミュニケーションで歯がゆく感じることや、孤独を感じることはありましたが、「家(または日本)に帰りたい!」と思うことはありませんでした。(笑)
インターンシップの仕事内容
さて、肝心のインターンシップですが…。
最初の一週間は撃沈しました。
例えば、日本企業では、総合職採用で1年はいろんな部署を回らせる形式の採用が多いです。
一方、海外企業では、「人事のマネージャー職が空いているため募集します。」のように、具体的なポジションや、やることが明記された状態で募集や面接を行うことが多いです。
私がお世話になったところも後者の形式で、聞いていた時点では、地域イベントの企画・開催だったため、「あ、私にもできそう!」と思ってアメリカに渡りました。
しかし、実際に行ってみると、「イベントをやる時期は今じゃないんだよね。」とのことで、やることがありませんでした。実は最初の一週間やっていたのは雑用のみ。ファイルのネームタグ貼りやパンフレットにチラシを入れる作業。
雑用がダメということではなく、「わざわざアメリカに来てまでやることがこれか…。」という思いが強かったです。せっかく奨学金をもらって、周りの人から応援してもらったのに、と悔しい思いでした。
さらに、指示書が筆記体で書かれており、小学生でもできるような簡単な作業なのに、読む時点でつまずいてしまう…。ネットで「筆記体 解読」、「筆記体 読めない」と検索して何とか読もうと頑張りましたが全く読めませんでした。
そのため、職場のお姉さんに読み方を聞き、筆記体の隣に活字体を書いてもらうという二度手間をさせてしまいました。自分のふがいなさと罪悪感がすごかったです。
そんな私がインターンに来て初めて覚えた英単語がこの二つです。
きっと一生忘れないことでしょう。(笑)
私以外にもポーランドとロシアからのインターン生がいたのですが、私と同い年くらいの女の子たちで、彼女たちは専門性を生かした仕事が与えられていました。同い年くらいでこんなに差がつくことは、とてつもなく悔しかったです。
また、二週間に一回ミーティングがあるのですが、私が到着した週がちょうどミーティングがある週でした。ミーティング内容は、自身が行った業務内容とその反省点と課題についてです。
まず、ミーティング中も英語が聞き取れないのと、自分のやったことを発表することが恥ずかしく、一週目は本当に泣きそうになることがありました。(笑)
一週間が経過し、私も黙っていられなかったため、ボスやまわりの人に「こういうことができるんだけどな~、やりたいな~。」とそれとなくアピール活動をし始めました。すると、面白いことに「じゃあ、やってみる?」と、とんとん拍子に話が進み、新しくお仕事をもらうことができました。
私の専門は化学なのですが、実際やったのはデータ分析のお仕事でした。「分析化学が専門なので、データ分析もできます!」という謎の宣言で、できると言ってしまったお仕事ですが、当然のように始めは行き詰まりました。
同僚に聞いたり、分からない専門用語はアプリの「Evernote」にメモしたりすることで、次回からスムーズに仕事をできるように取り組み、なんとか帰国の一日前に何とか終えることができました。
また、勤務時間は9時から17時で、残業をしたことは一回もありませんでした。さらに、金曜日はハッピーフライデーということで、午後3時には帰っていました。そのため、勤務時間内にいかに効率よく作業できるかがとても重要でした。
日本では、研究室のコアタイム9時から17時で作業や実験を終えられなかったら、「夜まで残ってやればいいや。」という考えで、日々を過ごしていました。モチベーションが低い時は、コアタイム中にゲームをやって、結果、帰る時間が遅くなるという意味のない自堕落な時間を自分で作ってしまっていました。
アメリカでは、日本の大学に通っていただけではなかなか体験できないようなことや貴重な気づきがたくさんありました。
アメリカのインターンシップで、私は主体性とめげない心の重要性を、身をもって体感しました。
日本でのインターンシップ
日本の企業は、山形大学からの紹介リストにある企業から選びました。山形県内にある企業でしたがグローバル企業で、アメリカ、中国、インド、イタリアなどさまざまな国に事業所がありました。
「グローバル企業は、たいてい関東や関西など主要な都市部に多いんだろうな。」という思い込みがあったため、この「地域人材コース」に参加しなければ知ることのできなかった企業だと思います。
就業時間は、9時から17時で、電車の関係で16:30には帰らせていただくというホワイトな環境でした。 ※山形は電車が1時間に1本のため融通を利かせてくれました。
また、業務内容としては、だいたいの部署をまわらせてもらい、午前座学を行ってから午後実習という形が多かったです。
アメリカのインターンシップに行く前は、このようなシステムについて何も感じなかったのですが、帰国後のインターンシップではしみじみと思うことがありました。
「日本(山形)の企業って超親切…!」
アメリカのインターンシップ先では、職場の方は親切だったものの、詳しい説明なしで、いきなり「はい、これやって!」というスタイルだったため、日本でのインターンシップがとても親切に感じました。
どっちがいい、どちらが悪いということではなく、アメリカに行ったからこそ、そのように思えたのだと思います。
もちろん、日本のインターンでも実践的な業務に携わる機会もありました。東京出張や営業の同行をしたり、インターン生ではなく社員さんと一緒にグループワークをしたりと、20日間インターンをしたからこそできた経験がたくさんありました。
また、会長がたまたま事業所に来ていて、一緒にお昼に会食をするなんてことも。(笑)
自分で機会を作りに行くのがアメリカでのインターンシップだとしたら、さまざまな経験を与えてくれるのが日本でのインターンシップだと思いました。
アメリカから帰ってきてからのインターンでは、上司の方々に「積極性がすごい!たくさんしゃべるし、たくさん動くね!」とほめられました。
もし、アメリカでインターンをしていなければ、山形でのインターンはただ「こなす」だけに終わっていたと思います。
日本の企業でもこんなにチャンスを与えてくれていて、それを生かすのは自分次第だと再認識できました。
最終日には、役員の方々の前で海外、国内でのインターンの成果について発表する機会もいただけました。
それも、当日の午前に言われ、急いで準備をし、役員の方々の前で30分間のプレゼンをするというものでした。
社会人になる前に役員全員の前で発表するという、このような経験ができてかなりラッキーでした!(笑)
インターンシップを終えての後日談
私の友人で1月頃、就活前だからか焦って5つくらいインターンに行っている人がいました。すべてが1 Dayインターンでした。
「なぜそんなに行ったの?」と聞いても「みんな行ってるから。」と答えるだけ。なら、説明会に行った方がマシです。
決して1 Dayインターンがダメと言っているわけではなく、目的もないのにインターンシップに参加するのって、時間がもったいなくありませんか?
「この会社に入りたい!このインターンに行けば、選考の過程で有利になる。」というのなら、話は別だと思いますが、周りの真似をしてただインターンに行くだけ。
これって、いったい何が得られるのでしょうか?もし、インターンに参加してみたいという人がいたら、インターンする意義を是非自分で考えてみてくださいね。
「インターンに行ったこと」自体が就活に有利になるのではありません。
インターンでどのようなことが得られたか、どのような成長ができたかが重要になり、採用担当者もそこが知りたいのではないでしょうか?
なぜこんなことを言うかというと…実は私も就活前に焦って1 Dayインターンシップに参加した一人だからなんです…。(笑)このプログラムを終えたあとに参加しました。
行った感想としては、正直、「う~ん、貴重な1日の時間を潰しちゃったなあ…。」というものです。
得られたのは就活の友だち?(それっきり連絡していない)と、会社の概要だけ。
説明会に参加するだけの方が時間を節約できたかも…。
学生の時間は自由だけれども、本当に貴重で取り戻せない時間です。
だからこそ、大切に使ってくださいね。
【まとめ】 インターンシップで何を得るかが大切!
私はこのプログラムで、慣れない環境でやり抜いていく力、また実は日本ではチャンスがたくさんあったんだ、という発見などさまざまなことが得られました。
これっきりではなく、インターンを終えてからも学んだことを継続し続けています。
何を得て、自分に反映できるか。インターンシップでは、たくさんのことを学んできてくださいね!