【前編】日本の中高生必見!知っててよかった!「アメリカ4年制大学」の入学方法を徹底解説!
みなさんこんにちは!留学ライターの藤井凜太郎です!
前回は、アメリカの大学と日本の大学の構造やシステムの違いについて説明しました。
「アメリカの大学がどんなものなのかはわかってけど、じゃあどうすれば入れるの?」
「出願や試験など何が必要なのかが分からなくて、大変そう…。」
そういったイメージや疑問の段階で留学を諦めてしまう人も少なくありません。
今回はアメリカ大学への入学が実際にどういったものなのか、受験形態、英語資格の試験、用意するものなどを説明します。
皆さんがアメリカ大学に進学するイメージをはっきりさせられるようにできればと思います!
アメリカの大学に進学する時に入学試験はあるのか?
私がアメリカへの入学を目指している際、周りの色々な方々から最もと言って良いほど頻繁に聴かれるのが、「入学試験はいつなのか?」や「試験では何をやるのか?」という質問でした。
まず端的にこれらの質問に答えると、アメリカの大学に入学する際に入学試験は必要ありません!
アメリカへ留学する際の基本的なシステムは、日本とは大きく違い、試験で生徒の能力を測るのではなく、高校の成績で測られます。
みなさんも通っている学校でも、学期毎に5段階の成績表が配られますよね?
あれらが入学の合否のほとんどを左右します。
GPAの計算法方
アメリカでは成績のことをGrade(グレード)と呼び、それらを平均地で出した値をGrade Point Average(GPA)と呼びます。日本での成績は、一般的には5段階評価(1~5)ですよね。
一方、アメリカでの成績は4段階評価(1~4)になっています。このGPAが主な入学の際の審査基準になるのです。以下、詳しくGPAの計算の仕方を説明します。
日本の学校でもアメリカの学校でも共通して、授業毎に単位数が決められています。例例えば、必修科目である国語、数学、理科、社会、英語は5単位。選択科目の政治経済、物理基礎、体育は3単位だとします。
ある学期の生徒Aの、高校の成績が以下のような成績だったとします。
教科 | 単位数 | 成績 |
国語 | 5 | 5 |
数学 | 5 | 5 |
理科 | 5 | 4 |
社会 | 5 | 3 |
英語 | 5 | 4 |
政治経済 | 3 | 2 |
物理基礎 | 3 | 5 |
体育 | 3 | 1 |
アメリカで普遍的に使用されている基準に沿うため、最初に5段階で表示されている数字からそれぞれ1を引いて、4段階評価に直します。
教科 | 単位数 | 成績 |
国語 | 5 | 4 |
数学 | 5 | 4 |
理科 | 5 | 3 |
社会 | 5 | 2 |
英語 | 5 | 3 |
政治経済 | 3 | 1 |
物理基礎 | 3 | 4 |
体育 | 3 | 0 |
このように5段階表記の成績から、4段階の成績へ換算されます。
これらの成績が単位数と掛け合わされ、その合計を総単位数で割ることでGPAを算出します。
上記の例を使うと以下のような計算式となります。
よって、生徒AのGPAは2.79という計算になります。
これは日本の高校でよく見られる5段階評価の成績に沿った計算の仕方です。
中には私立高校などで、A,A-,B+,B,B-,C+,C,C-,D+,D,D-,Fというより細かな成績の分配の仕方をところもあると思います。その場合の評価毎の成績の振り分けられ方は、基本的に、以下のように換算されます。
成績 | 点数換算 |
A | 4.0 |
A- | 3.7 |
B+ | 3.3 |
B | 3.0 |
B- | 2.7 |
C+ | 2.3 |
C | 2.0 |
C- | 1.7 |
D+ | 1.3 |
D | 1.0 |
D- | 0.7 |
F | 0 |
この成績配分の場合、ほとんどの学校ではC-もしくはDはクラスをFail、つまり単位を落としていると捉えられます。
なので、少なくともC以上の成績、日本で一般的な5段階評価の学校でも2以上の成績は維持できるように頑張りましょう。
ちなみに、このAからFの12段階評価は、アメリカの大学で一般的に使われている成績配分なので、頭に入れておくと便利でしょう。
4年生大学に必要な成績と英語資格(英語力)
この項目を説明するにあたり、今回私は日本の高校生がアメリカの大学へ進学するというケースを念頭に話していることを理解しておいてください。
と言うのも、アメリカの大学で学ぶ手段は、通常の進学に加えて短期、長期、企業を通しての研修留学などいろいろな種類があります。そして、どのケースにおいても異なった入学基準が設けられているからです。
今回は、日本の高校生がアメリカ大学進学を目指すには何が必要かを説明していきます。
まず、名門の4年生大学への進学は、日本の高校生に非常に高い水準の成績を求めてきます。公立大学の名門校、いわゆるパブリックアイビーと称される大学は、具体的なGPAの数値で言うと最低でも3.5、できれば3.7か3.8はないと入れないと言われています。
この数字が意味するのはつまり、成績の半分以上は5、もしくはAでなくてはいけないということです。
さらにアメリカの大学は、1年次から3年次のGPAの平均を要求してくることも特徴です。
これはまさに私も同じ壁にぶつかったのですが、高校3年になって名門4年生大学に進学したいと考え始めても、時すでに遅し…ということになりやすいのが特徴です。
これら高校での成績は、出願することにおいてほぼ最低条件のため、課外活動や資格試験も高い基準で求められてきます。
また、アメリカの大学への出願の際には、英語力証明も必要とされます。
英語力証明の資格試験として広く使われているテストは、以下の2つです。TOEICや英検で高いスコアを持っていても認めてもらえません。
どちらも、Reading, Listening, Speaking, Writingの4技能を測るテストになっています。
どちらの試験が決まって良いという差はないのですが、どのような試験なのかイメージしやすいよう、簡単に紹介をしようと思います。
「TOEFL iBT」と「IELTS」の違いを軽く紹介!
TOEFL iBTとIELTSの大きな違いは2つで、受験形態と点数の付け方です。
TOEFL iBTはInternet Based Testの略になっています。よって実際の受験はパソコン上で行われます。しかし、自宅で受験できるわけではなく、定められた会場にいかなければなりません。
それに対して、IELTSは昔ながらのペーパー試験なのが特徴です。
TOEFL iBTでは、パソコンで文字を読むことに加え、エッセイをタイピングしなければいけないので、パソコンに多少慣れていないといけない必要があります。実際に私も、パソコンのタイピングの練習をハードにしていました。
しかし、それらの作業は決して無駄になりません。なぜなら、日本もアメリカも共通して、大学ではパソコンで課題やレポートを書くことになるからです。よって、パソコン上での受験は、大学での変化を見据えた実用的な試験形態とも言えるでしょう。
次に、点数の付け方の違いについて説明します。
TOEFL iBTは4技能それぞれに30点ずつが振り分けられていて、合計120点満点で算出されます。それに対して、IELTSは4技能事に0から9までの範囲で、0.5ずつに分けた計19段階で出され、それらの平均でスコアが出されます。(0が最低で9が最高)
TOEFL iBTは、IELTSよりも細かい点数が振られるため、自分の成長や弱点を確認しやすいという特徴があります。
IELTSの良い点は、もし4技能の平均が6.3だった場合など6.5に繰り上げて点数が出されるため、TOEFL iBTに比べ多少点数が出やすいという特徴があります。
しかし、点数の出やすさにそこまで大きな差はないというのが、私の周りの留学生の正直な意見でした。よって、ペーパー(紙)で受けたいのか、パソコンで受けたいのかという好みで選ぶ人が多いようです。
ここで一つ、これらテストを経験してきての注意なのですが、今回紹介した試験両方とも、受験料が非常に高いという事実があります。どちらも約2万5千円なので、しょっちゅう受けられるというようなものではありません。
しかし、たった1回の受験で良いスコアが出るようなものでもないというのも事実です。ほとんどの人が良いスコアを出すまで「2回以上」は確実に受験しています。よって、一回一回しっかりと対策と準備をすることを怠らないようにしましょう。
さて、少し話がそれました。本題に戻ります。
それぞれ大学側に要求されるスコアがありますが、以下のスコアがアメリカ大学の名門校レベルの入学基準になります。
大学によっても基準は異なりますので、名門校でなければ基準は低くなります。また、留学する国や学部の違いによっても求められるスコア基準は変わってきます。
みなさんに分かりやすいよう英検に置き換えると、両方とも準一級もしくはそれ以上のスコアとなります。この英語力基準は、みなさんも名前の聞いたことのあるアメリカの名門校のスコアを参考にしているので、参考程度に捉えてください。
基本的に上記スコアを目指して英語の勉強を取得できれば、多くの大学の入学基準をカバーできることになります。
具体的に志望校が決まり次第、個別に必要スコアを調べることをお勧めします。
もし、1年次からの進学を考えていて、要求されているテストスコアを調べる際は「大学名 + freshman applicants TOEFL」で検索すれば、大学の英語力証明のページがヒットするはずです。
アメリカの4年制大学は、高校に入学時点から留学を意識し、良い成績を納めている生徒を求めているので、高校生活では気を抜けません!
次回もお見逃しなく!
今回は、4年制大学へ進学するのに必要な条件だけでなく、GPAや英語力証明(TOEFL iBTやIELTS)について説明しました!
特に、TOEFL iBTやIELTSなどの勉強は、中学生や高校1年生の段階から取りかかっても早すぎることはないです!
正直、社会人留学生であっても今回ご紹介したスコアを取得するためには、1年間の語学留学をしても到達できない方も多いです。高い英語力のハードルが待っていますので、「スコア取得には物理的時間が掛かるもの!」という認識を持って、早め早めに動いておいて間違いはないです。
TOEFLもIELTSもネット上に無料の練習問題が掲載されているので、どの程度のものなのか確認してみることをお勧めします!
次回は2年制大学への進学に必要な成績や資格試験について、さらには留学するのに必要な書類は何かを紹介していきたいと思います!ぜひ忘れずにチェックしてください!